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結婚後、夫の扶養で働く際に気をつけるべきこと5選

結婚後、仕事を辞め専業主婦になる人もいれば、最近では家計の足しにとパートで働く主婦が多くなっています。私もその中の一人です。今まで個人として働いていた分の税金などのことは理解していても、夫の扶養内で働くということがなんとなくでしかわかっていない人も多いのではないでしょうか。103万以下や130万円以下で働けば税金がかからないとなんとなく思っていると、一年後には住民税の納付書が届いて驚くということがありますよ。この機会にしっかり理解しておきましょう。

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#1 住民税、所得税課税の上限年収

住民税、所得税課税の上限年収

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一時、配偶者控除の廃止や夫婦控除の新設など議論されていましたが、結果的には配偶者控除が適用される金額が拡大される形に落ち着きました。
ただ、2016年には社会保険に関する改正などが行われているため、配偶者控除でよく言われる”〇〇の壁”がさらに増えてしまいました。
加えて2018年に配偶者控除改正が行われるため、夫の扶養内で働く主婦の働き方がややこしくなっています。

まずは、一番忘れがちな住民税や所得税についてお話しします。
住民税や所得税は扶養内で働いていれば、夫の給料から一緒に天引きされていると思っていませんか?私もずっとそのように勘違いしていました。
妻に100万円以上の年収がある場合には住民税が課税されます。
勤務先がちゃんと申請していたら毎年、納付という形で負担は大きいものではないのですが、稀に勤務先が毎年の申請を怠り、何年分かを一気に申請したために何十万も一気に払わなくていけないという事態になることがあります。
実際に、私の勤務先がそうでした。
私は本業が別にあり確定申告等をしていたので被害はありませんでしたが、何年も働いている主婦の方は本当に嘆いていました。
勤務先が悪いと思っても、代わりに何かをしてくれるわけではないので、勤務して2年目になっても住民税の納付書が自宅届かない場合は、自分で勤務先に問い合わせることを忘れないでくださいね。

”103万円の壁”という言葉を聞いたことがあると思います。
これは2017年まで利用できる妻の収入の壁で2018年以降は変更となります。
ただ、いずれも妻の収入が103万円を超えると所得税が課税され、さらに、夫の勤務先に配偶者手当がある会社では一部の手当てが支給されなくなる可能性があります。
所得税はパート代から毎月天引きされていても、年収が103万円未満であれば確定申告をすれば全額戻ってきますので忘れないようにしてください。
配偶者手当も会社によって対応は様々なのでご主人の勤務先に問い合わせてもらうのが一番いい方法です。

#2 社会保険加入への収入基準

社会保険加入への収入基準

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2016年より、”106万円の壁”というのが新たにできました。
これは、2016年10月からパート主婦に対する勤務先での社会保険加入要件が緩和されたため、106万円以上の収入で社会保険に加入することが出来るようになりました。
ただ、これには現在一部の大企業のみが対象になっており、実施されてない企業もまだまだ多いので自分の勤務先の状況を調べる必要があります。

昔からよく言われている”130万円の壁”は社会保険上の扶養から外れる妻の年収基準です。
妻の年収が130万円以上になってしまうと扶養から外れ会社員と同様に勤務先の健康保険と厚生年金に加入し第2号被保険者になるか、国民健康保険と国民年金に加入し第1号被保険者になる必要があります。
いずれにせよ手取りが減り、働き損になりますが、老後のことを考えれば年金が増えることになるのでデメリットばかりではありません。
ただ、第2号被保険者の方が負担する保険料は勤務先が半分負担してくれるので保険料は少なくなります。
勤務先にパートでも保険加入制度があるかどうかは重要な項目ですよね。
社会保険に加入したくない主婦は収入を130万円未満にすることをおすすめします。
夫が会社員の場合、第3号被保険者として健康保険料と国民年金保険料が免除されています。
これは非常に大きなメリットがある専業主婦の特権だからです。

#3 2018年以降の配偶者控除、配偶者特別控除の変更点

2018年以降の配偶者控除、配偶者特別控除の変更点

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2018年以降は配偶者控除と配偶者特別控除が見直されます。
夫が会社員で妻がパートに出ている場合、妻の収入が103万円以下の場合は給与所得控除後の所得は38万円なので今までと変わりませんが、夫の年収が増えると控除額が減少するようになり、年収が1220万円を超えると控除額がゼロになるという段階別の控除となります。
さらに、妻の年収が103万円を超えると配偶者特別控除が適用されることになります。
配偶者特別控除は今までは130万円未満に適用されていましたが、今回、150万円までに拡大されました。
ただし、これも夫の収入別の控除額になり、妻の収入が200万円を超えると控除は受けることができません。
加えて、配偶者控除同様、夫の年収が1220万円を超えると特別控除も適用外となります。

このように配偶者控除や配偶者特別控除の適用の条件は変更がありますが、妻の収入に対する住民税や所得税の課税や社会保険の加入条件などは従来通りになっているので、色々と働き方の精査が必要となります。

#4 2018年以降の主婦の働き方への影響

2018年以降の主婦の働き方への影響

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共働き世帯にとって影響が大きいのは税金上の壁よりも、”106万円の壁”と”130万円の壁”である社会保険加入をめぐる問題ではないでしょうか。
妻の収入が106万円や130万円を超えて社会保険に加入しなくてはならない場合、今まで免除されていた健康保険の保険料と厚生年金保険料や国民年金保険料の負担が生じ、実質的な手取りでみると健康保険や厚生年金、国民年金の保険料の差があるため明確な金額は出せませんが、約20万円前後のマイナスになり働き損になってしまいます。

一方で、社会保険に加入することにより、病気やけがなどで会社を長期間お休みした場合でも傷病手当金などの手当てがもらえたり、産休や育休などの手当て、厚生年金に加入することで老後の年金を増やすというメリットもあります。
ただ、結局は専業主婦である第3号被保険者の健康保険料の無料と国民年金保険料免除という優遇が大きいため、この優遇が使える範囲で働こうとする人が多いです。
今後、政府が第3号被保険者の優遇という問題に踏み込んで解決しない限り、労働時間をセーブして働くという主婦は多くなっていくでしょう。

#5 配偶者控除改正によるメリットとデメリット

配偶者控除改正によるメリットとデメリット

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配偶者控除改正によってメリットが大きい人とデメリットが大きい人が生じてきます。
まずは、メリットの大きい人は、自営業者の妻と年金受給者の高齢者夫婦です。
もともと130万円の壁がなく第1号被保険者である自営業者の妻は、106万円の壁があることで社会保険に加入することが出来るのと、夫が第1号被保険者であるために配偶者控除の枠拡大で減税の対象となります。
年金受給者の高齢者夫婦の場合、新制度になると配偶者控除を利用できる収入範囲が拡大されるため以前よりも適用者が増える見込みです。

夫が1220万円以上の高収入で専業主婦または共働きの家庭は、改正後明らかにデメリットが大きいということがわかります。
高収入の配偶者の場合は専業主婦という人が多いかもしれませんが、このような家庭は配偶者控除額が小さくなることで実質的な増税となります。
改正前は夫の収入がいくらでも、妻が働いていない場合に受けられていた38万円の配偶者控除がなくなり、さらに、税率も当然高いので38万円の所得控除の減少による増税分も大きくなってきます。

それぞれ家庭の事情は違いますが、家計の足しに始めたパートが働き損となってしまうことだけは避けたいところですよね。
今は何を重視して働くべきなのか、十分に考えてから働き始めることが必要ですよ。
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